自宅でDVD三昧!~映画・ドラマどんと来い!

もちろん映画館で見る大画面の映画の雰囲気は最高。でも自宅でまったりDVD三昧というのも良い物だ。人目を気にせず見た映画DVD・ドラマDVDの感想など書き散らしてみたり。

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2009年06月30日

ヤング@ハート

 アメリカには、高齢者向け公共住宅がある。
 「ヤング@ハート」は、そこに住む平均年齢80歳のメンバーで結成したロック・コーラス隊「ヤング@ハート」の6週間にカメラが密着したドキュメンタリー。
 ジェームス・ブラウンやジミ・ヘンドリックスらの名曲を歌い、病や老いと向き合いながら、コンサートを成功させるために奮闘する姿を追う。

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2008年06月23日

マリと子犬の物語

 2004年10月23日に起きた「新潟県中越大震災」では67人が犠牲になり、重軽傷者は4795人に及んだとのこと。
 中でも被害の大きかった山古志村では全村避難を行い、約2000人が村を離れた。しかし、ペットや家畜、村の養鯉業をささえる錦鯉などは残された。
 11月8日。新潟日報の夕刊に、がれきの前で遠吠えする1匹の犬の写真が掲載される。大震災の日に子犬を出産したマリだ。16日後、マリと子犬は無事救出され、その姿は多くの人たちを励ました。
 映画「マリと子犬の物語」は、この実話を基に制作された。
 飢えと寒さの中、必死に食べ物や毛布を探して子どもたちを守る母犬マリ。
 取り残されたマリたちを助けるたいと、村に戻ろうとする幼い兄と妹(広田亮平、佐々木麻緒)。
 二人を助けるために大雨の中を捜索する父(船越英一郎)。
 そして、お互いに助け合うことで、不自由な毎日を乗り切っていた避難所の人たち。
 大切な何かを守るために――マリたちが生き延びることができたのは、その必死の思いがあったからだ。
 村の人たちが希望を失わなかったのは、いつか村に帰る日が来ると信じていたから。
 心の強さは、生きる力を生み出すということを感じる。
 「本当に大切なものは何か」という、そのメッセージが、物語を通して確実に伝わってくる。

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2008年05月17日

リトル・レッド レシピ泥棒は誰だ!?

 数あるおとぎ話の中でも、世界的に最も有名な主人公の一人・赤ずきんちゃん。
 その赤ずきんちゃんを主人公としたCGアニメ作品が「リトル・レッド レシピ泥棒は誰だ!?」だ。
 と言っても、「レシピ泥棒は誰だ!?」という副題からも分かる通り、物語の展開は、おとぎ話とは大違い。とにかく笑わせてくれる。
 いつも赤いずきんをかぶっているレッドという名の女の子が、おばあちゃんに化けた狼に出会う――本来のおとぎ話のクライマックスシーンからストーリーは始まる。
 レッドが、森で多発するレシピ泥棒の容疑者の一人にされてしまうのをはじめ、予想外の展開の連続だ。

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2008年04月03日

キャプテン

 原作を知っていたために、正直、あまり期待していなかった。
 だいたいにおいて、二番煎じで終わるからだ。
 だが、本作「キャプテン」は、思った以上に見終わった後、さわやかな気分だった。
 一心にボールを追いかける情熱。努力してうまくなることの、うれしさ。試合の緊迫感。そして、勝つ喜び。
 野球とは、なんて魅力的なスポーツなのかということが感じられたのだ。
 本作には、恋もなければ、ケンカもない。魔球も、超人的な選手も出てこない。ただひたすら、野球に打ち込む中学生たちの姿を描いた、混じりっけなしの「野球映画」。
 原作は、故ちばあきおの同名コミック。テレビや映画でアニメ化されている。それだけに、冒頭述べたように、実写映画化への厳しい見方も多いと思う。

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2007年10月10日

ザ・コンテンダー

 確固たる理念とそれを貫く不屈の魂を持つ政治家は、洋の東西を問わず、ある種の理想であることには変わりがない。
 本作「ザ・コンテンダー」は、アメリカ政界を舞台に一人の女性政治家が主義を貫き通すために名誉を犠牲にして戦う物語。
 副大統領が死亡し、後任にアメリカ初の女性副大統領候補レイン・ハンソン(ジョーン・アレン)が任命される。
 しかし、議会承認の鍵を握る下院議員のラニヨン(ゲイリー・オールドマン)は、彼女のさまざまなスキャンダルを暴露することによってホワイトハウス入りを阻止しようとする。
 はたして、初の女性副大統領は誕生するのか?
 ジョーン・アレンが、聡明で、姑息な手段を決してとろうとしない高潔な勇気をもった政治家を好演している。

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2007年09月26日

オール・ザ・キングスメン

 「オール・ザ・キングスメン」は、実在の政治家をモデルにしたロバート・ペン・ウォーレンの同名小説の映画化。1949年にも映画化されており、アカデミー賞3部門を獲得しています。
 原作は1946年のピュリツァー賞を受賞したそうです。邦題は「すべて王の臣」。
 アメリカ南部の貧しい家庭に生まれ育った実直な男・ウィリーは、郡の会計係として働いていたが、役人の汚職を追及したため辞職に追い込まれる。
 その後、上流階級出身のジャーナリスト、ジャックの助力を得て、州知事に当選。絶大な人気を誇るようになるが、やがてウィリーも汚職に手を染めて……。

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2007年07月21日

マリー・アントワネット

 ソフィア・コッポラの監督第3作目「マリー・アントワネット」。
 ベルサイユ宮殿で贅沢三昧の生活を送る王妃というイメージのもと、さまざまなエピソードが語られ、それらの中には誤解や偏見も散見されるマリー・アントワネット。
 イギリスの歴史文学者アントニア・フレイザーによって、彼女に新たな光を当てた伝記小説マリー・アントワネット」が2002年に発刊。
 宮廷の慣習や政府の陰謀に対して、何の心構えもないままにフランス王室に嫁いだ一人の10代の少女としての彼女の姿を浮き彫りにしている。
 この等身大の少女・マリーに着想を得て制作されたのが本作。

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2007年06月27日

マゴニア 希望の国を探して

 ヨーロッパに古来から伝わる雲の上の伝説の王国「マゴニア」。
 956年にはアイルランドの教会の屋根に、空を飛んできた船の碇が引っかかり、奇妙な姿をした船員が下りてきて、碇の綱を切って飛び去ったという記録が残っているとか。
 “不運”が空から降ってきたとき、地上に落下する前に一時的に留まる場所、それが「マゴニア」とされているそうです。
 こうした伝説を素材にしたオランダ人作家アルチュール・ジャピンの短編小説「Magonian Stories」をもとに作られたのが本作「マゴニア 希望の国を探して」です。

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2007年04月06日

EPISODE1-04「裏舞台」ザ・ホワイトハウス<ファースト・シーズン>

 オリジナル放映日は1999年10月13日。
 アメリカの誇りでもあり、病理でもある銃の問題が背景に。
 銃規制法案の通過に向けて、大統領に知られないように、まさに裏舞台で根回しに奔走するスタッフたち。
 その駆け引きの中で、ホインズ副大統領の存在がクローズアップされる。

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2007年03月29日

マーダーボール

 車いすを駆使してボールを奪い合い、相手をなぎ倒すことも許される過激なスポーツ「マーダーボール」。
 この作品は、そのマーダーボールで、世界最強の座に君臨するアメリカ代表チームに密着したドキュメンタリー映画。
 2002年の世界選手権大会から、2年後のアテネ・パラリンピック(銅メダル獲得)に至る歩みが描かれている。敗北を乗りこえて勝つことに挑み続ける男たちの熱き闘いが、画面いっぱいに激突するド迫力のスポーツ・エンターテインメント。

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2007年03月23日

EPISODE1-03「報復攻撃」ザ・ホワイトハウス<ファースト・シーズン>

 オリジナル放映日は1999年10月6日。
 第2回からつながっているストーリー。テロへの対応で緊迫した状況の中で、チャーリーがメッセンジャー希望者として初登場する。
 

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2007年03月14日

EPISODE1-02「非業の死」ザ・ホワイトハウス<ファースト・シーズン>

 オリジナル放映日は1999年9月29日。
 後々までホワイトハウスを取り巻く問題であるホインズ副大統領との確執の断片、そしてサムとローリーの関係が描かれる。
 さらにタイトルの通り、テロによって軍用機が襲われ、大統領のお気に入りの主治医が非業の死を遂げる。
 日ごろから暴力に反対する大統領が、軍の総司令官として決断を迫られる。
 世界一の軍事力を持ったアメリカ大統領は、個人的な憤りを抱えて、どうすべきなのか?

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2007年03月07日

一票のラブレター

 漆黒からオレンジ色へとグラデーションする、夜明け前の空を飛ぶ飛行機から、パラシュートがついた箱が降ってくる。
 影絵のような光景から夜が明けると、箱の落ちた先がペルシャ湾に浮かぶ小さな島だったことがわかる。そこへボートで一人の女の子がやってくる。
 今日は選挙。その箱は投票箱で、女の子は選挙管理委員なのだ。
 女の子は投票箱を抱えて、その島中を回る。細い声で「私たちの票には社会を変える力がある」と投票を呼びかけるながら。
 その横には、選挙の不正を防ぐとの命を受けた島の無骨な兵士が、しぶしぶ彼女のお伴をしている。小娘にも選挙にも無関心。
 微妙な二人の対比が、何とも言えない面白さを醸し出す。
 さらに有権者たちが、これまたいろいろ。
 どの候補者も知らないと棄権する者、数十人の妻を連れていて、彼女たちのぶんを自分一人で投票しようとする者、神に投票しようとする者……。

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2007年03月01日

記憶の棘

 真っ白な雪に覆われた、ニューヨークのセントラルパークをジョギングする男性。その後ろ姿を追う冒頭の長回しが印象深い。
 その男性が不意に倒れて、動かなくなる。そして一転、場面は10年後の残された妻へと移行する。
 愛する夫ショーンを心臓発作で失った妻・アナ(ニコール・キッドマン)も30代に。ニューヨークのアッパー・イースト・サイドで暮らしている。今も夫を忘れられずにいるが、何年も待ち続けてくれたジョゼフ(ダニー・ヒューストン)と、ようやく婚約パーティーを開くことになった。
 そんな時、アナの前に、見知らぬ10歳の少年が現れ「僕はショーン、君の夫だ」と告げる。夫の「生まれかわり」と主張する少年に、アナの気持ちは揺れ始める……。

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2007年02月23日

ダ・ヴィンチ・コード

 ダン・ブラウンの世界的ベストセラーを映画化した本作は、各国で賛否両論を巻き起こしている。
 物語が暴いていくのは、キリスト教の概念を覆す、聖杯の意味や、キリストその人についての驚愕の事実などであるからだ。
 とは言え、こうした仮説を唱えるのは、この小説が初めてではない。
 シオン修道会やオプス・デイ、十字軍遠征にも参加したという12世紀以降のテンプル騎士団、そして聖杯伝説など、自在に歴史を遡りながら、それらの伝説の謎を、主人公たちとともに解いていくのは、ゾクゾクするような面白さがある。
 主人公・ラングドン教授の専門分野である西洋美術史の図像学による、絵画の読み解きも楽しい。
 パリのルーヴル美術館で殺害された館長は、死の間際に自らの身体を使って不可解な暗号を残す。その暗号の中に、ハーバード大学のラングドン教授(トム・ハンクス)の名前を見つけた、フランス司法警察のファーシュ警部(ジャン・レノ)は、協力を求めるという口実で、彼を現場に連行する。  暗号解読官ソフィー(オドレイ・トトゥ)とラングドンは、警察の追跡をかわしながら事件の謎を解明していくが……。

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2007年01月26日

メトロポリス

 手塚治虫の原作を、大友克洋が脚本、りんたろう監督という豪華なアニメーション・クリエーターたちが映画化。
 ロボットと人間が共存する未来都市メトロポリス。
 最高権力者であるレッド公は、自らの威光の象徴としてジグラットという超高層ビルを建設する。
 さらに、お尋ね者のロートン博士に命じて、亡き娘をモデルにしたティマというロボットをつくらせ、ティマをジグラットの玉座に座らせようとする。
 メトロポリスにはロボットを敵視する過激な勢力があり、レッド公の親衛隊のロックはティマを破壊しようと狙う。
 ロックは、ロートン博士を射殺し、博士の研究施設に火を放つ。ロートン博士を追ってきたヒゲオヤジとケンイチは、炎の研究施設に飛び込む。
 ティマがつくられた目的は、世界を征服する司令塔となることだった。玉座に座ったティマは、ロボットの怨みを晴らすために……。

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2007年01月19日

キンキーブーツ

 タイトルの「キンキー」とは、「風変わりな、性的に倒錯した」という意味。
 倒産しかけたイギリスの田舎の靴工場が、ドラッグ・クイーン御用達のキンキーブーツで再生をはかるという物語。
 それと同時に、女であること、男であること、そしてドラッグクイーンであることという、自分らしさを再確認する物語でもある。

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2006年10月09日

ペイ・フォワード

 社会科の教師シモネット(ケビン・スペイシー)が授業で課題を出した。
 自分で世界を変えるにはどうしたらよいか?
 一人の少年トレバー(ハーレイ・ジョエル・オスメント)が考えた答えは、1人で3人の人のためになることをしよう。それは自分にとって難しいことでなくてはいけない。
 そして、それをしてもらった人はお返しをするのではなく、まったく別の3人にとってためになることをしよう。
 そうすればその輪がドンドン広がっていき、きっと世の中が変わるはずだ。
 トレバーは、この自分の考えが成功するかどうか、実際に試してみる。
 そしてこの試みが、やがて大きな奇跡を起こす……。

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2006年10月01日

スナッチ

 イギリスの若き映画作家であるガイ・リッチーの第二作目。
 物語の発端は、ベルギーでの86カラットのダイヤモンド強奪事件。
 タイトルの「スナッチ」も「強奪」の意だ。
 強盗集団はロンドン経由でボスの待つニューヨークへ帰る予定だったが、事件の情報が漏れて、ロンドンの悪いヤツらが宝石を横取りしようと待ち構え、話はどんどんこんがらがっていく……。

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2006年09月29日

バガー・ヴァンスの伝説

 バガー・ヴァンスとは、ウィル・スミス扮する謎めいたキャディーの名前であり、彼の存在によって全体がおとぎ話のような雰囲気になっている。
 物語の中心は、第一次大戦で心に傷を負い、栄光のゴルファーから博徒に身をやつしていたジュナ(マット・デイモン)の再起をバガーが助けるというもの。
 また、ジュナのかつての恋人で富豪の娘アデールが、恐慌による破産状態からゴルフ場経営を再建させる。そして、ジュナを慕う少年ハーディの父も仕事を失った。
 登場人物たちは、社会の荒波にもまれ、奈落の底にいるが、バガーによって救われていくのだ。

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2006年09月26日

ベロニカは死ぬことにした

 この映画の原作は、パウロ・コエーリョの同名小説「ベロニカは死ぬことにした」。
 既に世界120カ国以上で翻訳され、日本語版でも20万部を超す話題作らしい。
 一見、満ち足りた生活を送る、ある若い女性の絶望と再生の物語。その舞台を、7年連続して3万人の自殺者が出ている日本に置き換えて、映画化した。
 「なんでもあるけど、なんにもない」退屈な人生にうんざりして、自らの命を絶とうとした28歳のトワ(真木よう子)が目覚めた場所は、ちょっと変わったサナトリウム。「君はあと7日間の命だ」と、院長(市村正親)が宣告する。
 自分に残されたあまりに短い時間を送るうち、はじめて彼女は、それまで拒絶していた自分自身を受け入れ、周囲に目を向ける。
 おいしいものを食べること、楽しむこと、好きな格好をすること、美しい音楽を奏でる喜び、人生を彩るものすべてが彼女を変えていき、率直な生への欲求が芽生え始める……。

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2006年09月16日

アンブレイカブル

 「シックス・センス」が世界的に大ヒットを記録したM・ナイト・シャマラン監督。
 彼の強みは独創的な脚本にあると思う。
 シャマランの映画がもたらす驚きは大仰な視覚効果ではなく、巧妙に設計された物語による。「シックス・センス」でも全く意表をついた結末を準備して、あっと言わせてくれた。
 悲惨な列車衝突事故で物語は幕を開ける。
 乗客・乗員132人の内、131人までが死亡。たった1人の生存者デヴィッド・ダン(ブルース・ウィリス)は何と全くの無傷だった。
 その日から彼に接近し始めた漫画コレクター、イライジャ・プライス(サミュエル・L・ジャクソン)はダンに質問する。
 「あなたはこれまでに何回病気をしたことがあるか?」と。
 次第に明らかになるのは、ダンが“決して壊れない(アンブレイカブルな)肉体”の持ち主であるということ。
 そして一方、プライスはといえば、子どもの頃からケガが絶えない体だった。

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2006年09月13日

シビル・ガン 楽園をください

 南北戦争下、カンザス州とミズーリ州の州境の森に、南軍のゲリラがキャンプを張っていた。
 18歳のジェイク(トビー・マグワイア)は、黒人のホルトを含む4人のグループで行動していた。
 銃撃戦の演出が素晴らしい。
 旧式のピストルの発射音、壁やガラスを貫通する音、そして撃たれた者の倒れ方。これほどリアリティーのある銃撃戦は見たことがない。
 また、数百人の南軍ゲリラと北軍の騎馬戦は圧巻だ。その疾走感は爽快で、思わず「いけ~!」と叫びそうになった。
 戦闘シーンも見事だが、この映画はアクション映画ではない。
 1861年のアメリカを忠実に再現している。誇張のない演出は、誠実というか、真摯というか、丹念に丹念に作られており、ハリウッド的なエンターテインメント性はいささかも感じられない。
 それがまた独特の味わいを醸し出している。

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2006年09月06日

バーティカル・リミット

 まず、広大なスケールとアクションのすごさに度肝を抜かれ、強烈なビジュアルが目に焼き付く。
 最高峰ヒマラヤ山脈は、人を寄せ付けない威厳を放ち、すさまじいほどに美しい。
 この危険な山を征服しようと人々は挑み続ける。限界に挑戦し、誰もが果たせなかった夢、登頂を実現しようとする。
 八方を急斜面で囲まれ、天候の変化を予測できず登山家たちからもっとも恐れられている山K2。
 ここに挑み、悲劇に見舞われる若い登山家の兄妹がいた。
 兄は、妹とその登頂チームを助けるために、想像を絶する救出作戦を決行することになる。
 登頂だけでも危険だが、さらにそこには制約があった。
 人間の肉体の限界、命を持ちこたえられる時間はわずか22時間。果たして救い出すことができるのか――。

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2006年09月04日

オール・アバウト・マイ・マザー

 スペインの映画監督ペドロ・アルモドバルが、母とのきずなを描いた、ある意味メロドラマ。
 ただし最初に断っておかなければならないのは、登場人物達が、アルモドバルの映画を見たことのある人ならおなじみの“変な人”たちばかりなのだ。
 街頭で男性を誘惑する女装の男性が複数登場するし、よりによってそうした男性に恋し、妊娠する修道女がいる。
 または麻薬中毒の女性を愛する同性愛者の女優もいる……。
 こうした“変な人”たちが織りなす感動的で、上質なメロドラマ。
 物語は雨中の悲劇的な交通事故から急展開をとげていく。
 マヌエラはマドリードで臓器移植コーディネーターをしながら、息子エステバンを独りで育て上げてきた。
 息子はしきりに父親がだれか知りたがるが、母はなぜか返事を拒む。
 そして息子が17歳の誕生日を迎え、ついに父親がだれかを打ち明けようとしていたその夜に事故は起こるのだ。
 マヌエラはずっと会わずにきた伴侶を探し当て、息子の死を知らせるため、かつてエステバンを身ごもった思い出の街バルセロナへと向かう。

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2006年08月29日

ホワット・ライズ・ビニース

 娯楽映画の王道としてサスペンス映画があり、その頂点にはヒッチコックがいる。
 ロバート・ゼメキス監督が、ヒッチコックを越えるスリラーを目指した本作。
 「ヒッチコックが生きていてCGを使えたらどうするか」――ゼメキス監督は、CGの担当者にこう指示したという。
 「タイタニック」のCGを制作した担当者は「コンピューター技術は映画の物語を深めるためにある」という考え方から、どこでCGが使われたのかを感じさせない自然な映像をつくりあげた。
 著名な数学者のノーマン(ハリソン・フォード)と、妻のクレア(ミシェル・ファイファー)は、ヴァーモントの湖のほとりの大きな家に住んでいた。クレアは娘を溺愛していたが、娘が大学に入って家を出てしまう。寂しさに苛まれるクレアの周りで、不気味な現象が起こり始める。
 BGMが消え、緊張感が高まっていくと、突然、わっと驚かせるような画面が飛び出す。それが5分に1回はやってくる。
 目の肥えた人だと、そろそろ来るぞと冷めた目で見てしまいがちだが、この映画ならハマるだろう。それは、物語が静かに静かに進行するからだ。見るものを構えさせない、平凡な生活が淡々と描かれている。
 これは、ハリソン・フォードとミシェル・ファイファーの演技力によるところが大きい。
 特に前半のハリソン・フォードは、いるのかいないのかわからないほど存在を感じさせない。個性を感じさせない演技から、演じるということの一側面を考えさせられる。

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2006年08月25日

グリーン・デスティニー

 アメリカや台湾を舞台にして女性を繊細に描いた作品の多かったアン・リー監督による武侠映画。
 19世紀初頭、剣の英雄が群雄割拠する時代。許されない愛に苦しむ2組の男女がいた。400年前に作られた秘剣グリーン・デスティニー(碧名剣)の使い手として名を轟かせる英雄リー・ムーバイ(チョウ・ユンファ)と、その女弟子シューリン(ミシェル・ヨー)。もう1組、貴族の娘イェンと盗賊の頭ローもまた身分違いながらも惹かれ、激しく愛しあっていた。
 彼らは英雄の剣をめぐる復讐のドラマの中で真実の愛を知っていく。
 最も重要な役イェンを演じたチャン・ツィイー。そしてチャン・チェンがローを演じている。
 ユンファとチェンも今までで最高のクールさだが、ヨーとツィイーの女性陣の気品も戦いぶりも男性以上にすばらしい。
 とくに、二重、三重の引き裂かれの中で、自らの激情と戦いながらも死をもいとわない貴族の娘を演じたツィイーは、こんなに魅力的で最強の女性の存在は、めったに描けるものではないと思う。

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2006年08月24日

キャラバン

 素晴らしく美しく、本物の自然を切り取り、かつ、自然への畏怖に包まれた作品。
 村の人から長老とあがめられ、若い頃キャラバンの隊長をつとめてきた人物の息子が死んだ。キャラバン隊長という絶対の権力を譲った息子亡き今、その地位をどうするか。
 息子の親友で長老とかつて対立していた男が周囲の信頼を得て隊長になった。しかし、進歩的で合理的な彼の考え方を長老は気に入らない。
 まだ幼い孫に期待をかける長老は、無謀にも自分でキャラバンを出すことにする。
 2人の対立は何を生むのか。
 村はどうなるのか。

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2006年08月23日

アンジェラの灰

 1997年ピュリツァー賞を受賞し、欧米で600万部の大ベストセラーとなった同名ドキュメンタリーの映画化。
 1930年代、アイルランドからの移民としてニューヨークで暮らすマコート一家。若い夫妻には4人の幼い男の子と生まれたばかりの女の子がいた。
 不況で父親に仕事はなく、彼は失業手当まで呑んでしまうほどの酒好きだった。食べるものもなく、ある日、小さな女の子は死んでしまう。悲しみにくれる母親は、故郷の家族を頼ろうと、一家でアイルランドに戻る。
 アイルランドに戻っても、父親は働かなかった。働いてもすぐにクビになり、失業手当は酒代に消えた。ここで、下の双子の男の子が次々に亡くなる。そして、また子どもが生まれる。父親に対して、妻も子どもたちも呆れているが、憎み突き放すことはできない。
 映画を見ながら、エミール・ゾラの小説「居酒屋」を思い出した。「居酒屋」は、だんながヤクザな男だったため、娼婦にまで身をやつす女の物語である。
 男にほれ、情、母性が仇となって不幸になる女性は多い。逆に、呑む、打つ、買うといった遊びにうつつをぬかし、女性や家族を不幸の泥沼に引きずり込む男も多い。
 女の愚かさと男のずるさ。
 これは、男と女の悪しき業ともいえるだろう。アンジェラの灰は、この業を見るものに突きつける。
 やましいところのある人は、そら恐ろしい気持ちになるにちがいない。

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2006年08月22日

十五才 学校IV

 不登校、学級崩壊、いじめ……そういった顕在化した問題をあげるまでもなく、思春期の子どもの想いを理解するのは難しい。
 親は価値観を押しつけてはいないだろうか。周りの大人たちは何を見せればよいのか。深く考えさせられる作品だ。
 横浜郊外に住む中学3年の大介(金井勇太)は、学校に通わなくなって半年がたつ。
 ある日、両親に内証で九州の屋久島に縄文杉を見に行こうと決心し、ヒッチハイクをはじめる。果たして彼は、無事に遠い屋久島にたどり着くことができるのだろうか――。
 大介は、旅を通じて大きく成長していく。見たことがない景色を見、いろいろな人の人生と接し、人生の悲しみやつらさを断片的ではあるが知ることになる。
 そして、樹齢7000年の縄文杉に会ってエネルギーをもらいたいという夢を成し遂げることによって得る達成感。
 つまらない人間だと思っていた自分だって、やり遂げることができるのだという自信がわいてくる。

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2006年08月21日

X-MEN

 冒頭、ポーランドのナチスの強制収容所で、ユダヤ人の男の子が、両親から引き裂かれるシーンが映る。両親と別れたくない男の子は、泣き叫ぶ。少年の強烈な“思い”は、鉄の扉をグシャグシャに変形させてしまう。
 原作は、1960年代の伝説的な人気のアメリカン・コミック。見る前のイメージは、単純なアクション大作だったが、非常にテーマが深く、ただの実写版ではない。
 X-MENとは、いわゆる“超能力”をもったミュータントと呼ばれるごく少数の新しい人類だ。彼らは、進化によって超能力をもっているのだが、大多数の旧人類から危険視され、疎外されている。この映画は、異質なものを排除してしまう、人類がもつ“差別”という病を描いている。
 物語は、三者の対立が軸となる。
 ミュータントを排除しようとする人類。
 そうした人類を支配しようとするミュータント。
 人間との共存を信じるミュータントだ。
 そして、対立するミュータント同士が、さまざまな超能力を駆使して相争う。
 人類を支配しようとするミュータントのボス・マグニートーは、冒頭の少年が年老いたという設定である。マグニートーの論理は、自分たちを差別する者を攻撃しようとするもの。この論理は、差別される側からすれば、当たり前かもしれない。
 一方、旧人類との共存は可能だと信じるチャールズもいる。
 ミュータントへの人種差別を描いているが、60年代、アメリカに起こった公民権運動が背景にあることは想像にかたくない。

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2006年08月20日

スペースカウボーイ

 クリント・イーストウッド監督=主演作品。
 1958年、米ソのあいだで熾烈な宇宙開発競争が展開されているなか、空軍の選り抜きパイロットで構成された“チーム・ダイダロス”は日夜、宇宙飛行士になるための激しい訓練を繰り広げていた。
 ところが、突然プロジェクトの権限が新しく設立されたNASA(アメリカ航空宇宙局)に移行し、アメリカ人初の宇宙飛行士になるという4人のメンバーの願いは夢と消えた。
 ところが、それから40年の時を経て、彼らにチャンスが訪れる。
 旧ソ連の通信衛星が故障し、地球に落下する危険性が高いとの知らせがメンバーの1人コービン(イーストウッド)に届く。
 その衛星はかつて彼が設計したシステムを使用しており、彼の協力が必要だったのだ。
 コービンは提案する。もしも“チーム・ダイダロス”を復活させて、宇宙に修理に向かわせてくれるなら協力しよう……。

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2006年08月19日

英雄の条件

 くせのある役をこなすことについては定評がある2大スター、トミー・リー・ジョーンズとサミュエル・L・ジャクソンの演技が見物である。
 「逃亡者」で冷徹な連邦保安官役だったジョーンズは今回はアルコール依存症の海兵隊弁護士ヘイズ・ホッジス大佐を、「パルプフィクション」で哲学的な殺し屋を演じたジャクソンは海兵隊屈指の歴戦の勇士チルダーズ大佐を演じている。
 中東イエメンでアメリカ大使館が大規模なデモ隊に包囲され、大使家族を救出することになる。
 そのときチルダーズ率いる海兵隊は、銃撃で一般市民を80人も死亡させてしまう。世界中から人道主義を踏みにじる行為として非難され、アメリカの威信はどうなるのか。そのときとった行動は軍人として正しい選択だったのか。
 チルダーズは軍事法廷で裁かれることになる。

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2006年08月18日

ホワイトアウト

 真冬の新潟県、雪に覆われた日本最大のダムをテロリストが占拠する。
 テロリストは、ダムの爆破による水害で国を脅し、50億円を要求。猛吹雪のため、だれもダムに近づくことができない。
 ダムの職員が人質になるなか、ひとり自由の身の富樫(織田裕二)が、テロリストに挑んでいく。
 この映画の最大の成功の因は、脚本にあると思う。
 原作は、ベストセラーとなった同名小説。原作者の真保裕一が、自ら脚本を書いている。
 見るものの予想を裏切り続ける物語展開は卓抜。なかでも、クライマックスのどんでん返しの連続が楽しい。
 演出で「うまい!」と感じた点は、射殺シーンのクールさ。
 こうしたシーンは、どうしても嘘臭くなりがちだが、ここをさらっと描いたところに好感がもてる。
 キャスティングもなかなか良い。
 特に、テロリストの首領の佐藤浩市がはまり役だ。もともと演技力のある役者だが、癖のある難しい役を自然に演じている。
 ほかの役者も、変に主張していない。キャスティングがそれぞれにマッチしたと言える。多少、ん!? と感じるような人はいるが、許せる範囲だろう。

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2006年08月17日

マルコヴィッチの穴

 原題は「BEING JOHN MALKOVICH」。つまり“ジョン・マルコヴィッチであること”。
 マルコヴィッチとは90年代初めに『シェルタリング・スカイ』や『20日鼠と人間』などで頭角を現した本格派俳優。
 この映画は“有名人になりたい病”を主題として扱っているが、その有名人が誰でも知っているディカプリオやトム・クルーズではなく、知ってる人なら知っているし、顔は知ってるが名前を知らなかったり、逆に名前は知ってるが顔は知らない人も多かったりするだろうマルコヴィッチをあえて選んだところに、ヒネリのきいた冴えがあると言える。
 でもなぜ“穴”なのか?

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2006年08月16日

ミュージック・オブ・ハート

 ロベルタ(メリル・ストリープ)が音楽教師として、ニューヨークでも指折りの物騒な地域「イースト・ハーレム」の小学校に、50挺ものバイオリンを抱えて乗り込む。
 悪ガキどもはバイオリンの弓でチャンバラをはじめる始末。しかし、ロベルタの率直な人柄に心を開き、子どもたちは鋭敏な力を発揮してグングン上達していく。
 やがて、発表会で「キラキラ星」を見事に合奏する我が子の誇らしげな姿に、親の目に涙が光る。
 果ては、スターンやパールマンら世界的なバイオリニストと、カーネギーホールで協演することになるのだ!
 しかし、このドラマは単なる美談とは一線を画している。

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2006年08月15日

ザ・ハリケーン

 先日紹介した「エリン・ブロコビッチ」と同じく、実話を題材にした作品。
 壮大なアクションやファンタジー大作も小気味良いが、真実の話はそれとは違った感動を味わえる。今まで自分が知らなかった世界で、こんなにもたくましく、切なく生きた人々がいたのだという驚きが胸に迫ってくる。
 1963年、黒人ボクサーのハリケーン(デンゼル・ワシントン)は、ウエルター級のチャンピオンにまで上り詰めていた。
 華々しい戦績をあげる彼に突然、殺人事件の容疑がかけられる。裁判で無実を訴えるのだが終身刑が宣告されてしまう。
 彼は、獄中でも無実を訴え続け、自伝を執筆して出版するやいなや大反響を呼び、ボブ・ディランやモハメッド・アリなどが釈放運動に加わってくれる。しかし、再審も有罪。ハリケーンは絶望し、社会とのかかわりをいっさい断つようになっていく。
 古本市でハリケーンの自伝を何気なく手に取ったレズラは、ハリケーンの人生に共感を覚え、仲間と一緒にハリケーンの無罪を勝ち取るために、立ち上がるのだった……。

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2006年08月14日

サイダーハウス・ルール

 ラッセ・ハルストレム監督の作品といえば、子供を見つめるまなざしが温かいことで定評がある。
 しかも、原作は「ガープの世界」「ホテル・ニューハンプシャー」などの作品で知られるアメリカ現代文学の巨匠ジョン・アーヴィング。彼自身が13年もの歳月を費やして脚色し、映画化した。
 原作者が脚色をすると、原作への思い入れが強すぎて映画としてはわかりにくいものになりがちだが、このベストセラー作家は違った。
 そのエキスを抜き取り、一人の青年の成長を描く感動のドラマに仕上げている。
 2000年度のアカデミー作品賞、監督賞など7部門にノミネートされ、最優秀助演男優賞と最優秀脚色賞を受賞した。
 舞台は1930~40年ごろの孤児院。
 ここで生まれ育ったホーマー・ウェルズ(トビー・マグワイヤ)は、ラーチ院長(マイケル・ケイン)に「人の役に立つ存在になれ」といわれ続けて大きくなった。
 院長の掌中の玉のような存在だったホーマーもいつしか、外の世界に憧れて旅立つことを決心する。
 外の世界は、見たことのないモノばかりだった。初めての海、口にしたことのないロブスター、野外で映画が見られるドライブインシアター。
 そして、友情や甘い恋、悲しみ……人とのふれあいを通して今まで味わったことのない感情を味わい、一歩ずつ大人になっていく。

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2006年08月12日

エリン・ブロコビッチ

 豪快ママのサクセスストーリー。
 物語が実話であるだけに、人間捨てたもんじゃないなと妙に納得させられる。
 エリンは2度結婚をし、2度別れ、子供が3人いる子連れの母親。悪いことに学歴も、経験も、職もない。
 きょうの食費にも事欠き、職探しの毎日だが不運は続くもので、面接で落とされ落ち込んでいるときに車に追突される。弁護士に依頼するがあっけなく敗北。現実は厳しい。
 行き詰まったエリンは自分が頼んだ弁護士事務所に押し掛け事務員として働きはじめる。
 ファイルの整理をしていると気になる資料が出てきた。不動産関係の資料なのに、健康診断書や血液検査の結果が添付されていたのだ。
 それを調査させてくれるようボスに願い出る。そして、隠された事実を暴き出すことになるのだ。
 1歳にもならない乳飲み子と小学生の子供2人を抱え、働くママは一生懸命だ。
 でも、おかしいと思ったことに突き進む勇気があり、理不尽は許さない。しかも、相手の立場にたって物事を考えることができる優しさがある。
 その迫力と元気に圧倒される。

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2006年08月11日

バットマン ビギンズ

 サイコスリラーの秀作「メメント」「インソムニア」などを監督した、新進気鋭の映像作家であるクリストファー・ノーラン監督による「バットマン ビギンズ」。
 本作では、バットマンの誕生秘話や、バットマンがゴッサム・シティの「闇の騎士」になるまでを追っている。
 これまでスクリーンで語られなかった、ブルース・ウェインがいかにしてバットマンになったか、というバックグラウンドが初めて明かされる。
 不気味な分身を生み出すために、彼がなぜ、どうやって戦闘力を身につけ、バットマンツールを手にしていったのかが……。

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2006年08月10日

亡国のイージス

 福井晴敏の同名ベストセラー小説を、硬派な人間ドラマで定評のある阪本順治監督が映像化。そこに、真田広之、寺尾聰、佐藤浩市、中井貴一ら日本を代表する豪華俳優陣が結集。
 物語は、海上自衛隊のイージス護衛艦「いそかぜ」が、テロリストたちに占拠されるところから始まる。
 搭載されている特殊兵器の照準を東京に合わせ、日本政府にとてつもない要求を突きつける彼ら。
 そこに立ち向かうのは、だれよりも艦の構造に詳しい先任伍長・仙石恒史(真田)だった……。
 主演の真田は公開初日の舞台あいさつで「この『イージス』が僕らの手を離れて、大海原に漕ぎ出します。すべての思いを映画に込めました。観客の皆さまも(この作品の)クルーの一員として“世界平和”という向こう岸にたどり着くまで、一緒に漕ぎ続けていただければ」と語ったとか。

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2006年08月09日

ミッション・トゥ・マーズ

  近未来には私たちにも、こんな体験ができるのでは……と、少年のころの冒険心を再び駆り立てられる作品。
 監督は「ミッション:インポッシブル」で知られる鬼才ブライアン・デ・パルマ。
 西暦2020年――。アポロ11号で初の月面着陸を果たしてから半世紀、人類はさらなる偉業を達成した。火星の有人探査である。
 ルーク(ドン・チードル)率いる第1ミッションチームは、火星の地質に水の成分を発見。それは人類が火星で生活できるという可能性を示唆するものだった。しかし突然、彼らからの交信が途絶える。
 かろうじて送られてきた最後の映像が物語るものは、ルーク以外の乗組員が全滅したとの悲劇的な事実だった。
 ウッディ(ティム・ロビンス)を中心とした第2ミッションチームは、飛行士として優れた技量を備えたジム(ゲイリー・シニーズ)とともに、ルーク救出へと向かうのだが……。

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2006年08月08日

ムッソリーニとお茶を

 舞台は、ムッソリーニがいたころのイタリア・フィレンツェ。ストーリーは、コケティッシュでありながら、感動があり、さらに最後には驚きも味わえる。
 少年ルカは、父親が愛人に産ませた子供であるため、秘書のメアリー(ジョーン・プローライト)に託される。
 イギリス人であるメアリーの周りには個性的な外国の友人がたくさんいた。気位が高いイギリス人、レディ・ヘスター(マギー・スミス)は、亡き夫が大使だったことが誇りだ。
 芸術家のアラベラ(ジュディ・デンチ)は、芸術の崇高さをルカに教え、メアリーはシェイクスピアの奥深さを学ばせる。
 アメリカ人のエルサ(シェール)は、美貌を武器に富豪との結婚を繰り返し、高価な美術品を購入することが生きがいだ。
 彼女はルカのために金銭的な後見人になってくれる。彼女たちに見守られながら成長するルカだが、時代はいつしか戦争に突入していくのだった。

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2006年08月07日

オープン・ウォーター

 沖でスキューバ・ダイビングを楽しんでいた夫婦が、海面に上がってみると、そこに待っているはずのツアーボートの姿が消えていた。
 陸は見えず、助けが来る気配もない。水深18メートルの海に取り残された二人に、鮫の群れが近づいてくる……。
 この「オープン・ウォーター」は、制作費が50万ドルに満たない低予算映画ながら、全米で3000万ドルを超す興行収入を記録したらしい。
 映画に登場する鮫は、すべて本物。
 出演者もスタントは一切使わず、鎖でできた防護服を身につけた役者が、鮫との“共演”に体当たりで挑んだとのこと。
 鮫の訓練士も撮影に参加しているらしいが、何はともあれ無茶には違いない。
 だが、だからこその臨場感、緊迫感にあふれている。

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2006年08月05日

エニイギブンサンデー

 「プラトーン」と「7月4日に生まれて」で、2度のアカデミー賞を受賞しているオリバー・ストーン監督作品。
 アメリカの3大スポーツのひとつ、アメリカンフットボールを題材に、アメフトファンはもちろん、スポーツは好きだけどアメフトのルールはわからないという人も、スポーツにあまり興味がない人も、女性でも男性でも十分楽しめる仕上がりになっている。
 プロフットボールチーム「マイアミ・シャークス」は、以前はチーム優勝を果たすほどの実力があったが、今では連敗、観客数も落ち込んでいる。
 そんな中、ベテランのクオーターバック(デニス・クエイド)がけがをしてしまう。
 ヘッドコーチであるトニー(アル・パチーノ)は、控えのウィリー(ジェイミー・フォックス)を出場させることにした。
 彼ははじめこそ怖じ気づいていたが、次第に活躍するようになってくる。しかしスタンドプレーも目立ち始める。若きチームオーナー、クリスティーナ(キャメロン・ディアス)は、フットボールをビジネスとしてしかとらえておらず、若手や人気者を起用しベテランたちをはずしていこうとする。
 果たして「シャークス」は再生できるのだろうか……。

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2006年08月04日

EPISODE1-01「大統領と側近たち」ザ・ホワイトハウス<ファースト・シーズン>

 記念すべきザ・ホワイトハウス<ファースト・シーズン>の第1話(PILOT)。オリジナル放映日は1999年9月22日。
 当初このドラマは、広報部次長のサム・シーボーン(ロブ・ロウ)を中心に、ホワイトハウスのスタッフたちに焦点を当てたものになるはずだった。だからバートレット大統領は数回に一度程度の出演予定だったらしい。
 アメリカのテレビドラマのシステムとして、まずパイロット版的な第1話を制作して放映し、その視聴率によって継続かどうかが決まる。場合によっては、あっという間に打ち切りになるわけだ。
 そのためか、今話では大統領が登場場面は少ないながら大活躍している。
 そして結果としてサムへの焦点は薄れ、大統領を中心としてアメリカ政治の中枢であるホワイトハウスのスタッフ全員の描写へとシフトしていく。

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2006年08月03日

ザ・ビーチ

 イギリスの新進作家アレックス・ガーランドが1996年に発表したベストセラー小説「ビーチ」の映画化。
 同じく若者を中心に熱狂的人気を集めるサブカルチャー系小説を映画化した「トレインスポッティング」で脚光を浴びた監督のダニー・ボイルと脚本のジョン・ホッジほかのチームを再結集させ、「タイタニック」で世界的なトップスターとしての地位を揺るぎないものにしたレオナルド・ディカプリオを主演に据え、かなりの意気込みで撮影に臨んだ本作。
 さて結果はどうか?
 若者が大人になるプロセスで経験する、魅惑的ではあるが危険な香りにも富んだ通過儀礼の物語――内容についていえば、そう要約できるだろう。
 ディカプリオ演じるリチャードがタイのバンコクに到着する場面からストーリーは始動する。
 リチャードは欧米からアジアを訪れる若きバックパッカーの典型で、これまでのイギリスでの日常的生活に飽き飽きし、自分がこのままただの大人としてダラダラした日々に埋没してしまうことへの危機感に苛まれている。
 つまり治安も悪く、決して清潔ではなく、また文化的価値観も180度異なる場所にわざわざ赴く貧乏旅行は、彼自身の人生観をも180度変えてくれるような出来事や光景との出会いへの渇望を意味するのだ。
 この映画でいえば、その西欧的価値観を180度変える決定的な光景を象徴するのが、伝説的な“ビーチ”の存在だ。

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2006年08月02日

グリーンマイル

 改めてスティーヴン・キングは、並外れた才能を持つストーリー・テラーだと実感する。
 「シャイニング」で、膝がふるえるほどの恐ろしさを味わわせ、「スタンド・バイ・ミー」で、少年たちの揺れ動く心を描き、「ショーシャンクの空に」で過酷な状況の中でも夢と希望を持つことがいかに大切かを教えてくれた。
 その彼の原作を新たに映画化したのが「グリーンマイル」である。
 時は今から70年前、アメリカが大恐慌のころ。
 ポール・エッジコム(トム・ハンクス)は、黒人差別激しい南部の刑務所で看守長をしていた。そこに、2人の少女を殺した罪でジョン・コーフィ(マイケル・クラーク・ダンカン)という死刑囚がやってくる。
 泣き虫で暗闇を怖がる黒人の大男は、とても大罪を犯せるようには見えない。違和感を覚えるポールの周りに、次々に不思議な出来事が起こり始める。
 コーフィは、人の心の中を感じ取り、いやすことができ、病を解き放つ奇跡を起こす力を持っているのだ。果たして、神の使いのようなこの男に殺人が犯せたのだろうか?

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2006年08月01日

ふたりのトスカーナ

 原作は40年ほど前にベストセラーとなったロレンツァ・マッツェッティの自伝的小説「天が落ちてくる」。
 第2次世界大戦。両親を事故で失いイタリアのトスカーナ地方に住む叔母夫妻に引き取られた幼い2人の姉妹。
 戦争の影が日に日に大きくなる中で、楽しい夏の日は、ある日突然に終わりを告げた……。
 美しい映像を通し、少女が見た戦争の悲劇を丹念に描いている。

2006年07月31日

ミリオンズ

 幼い2人の兄弟が歓声をあげながら、野原を自転車で走ってゆく。青空の下、野に一面に咲く黄色い花が、黄色い帯となって飛んでゆく映像の美しさ。子どもっていいな、子ども時代って楽しかったなと思わせる。
 兄弟は少し前にお母さんを亡くし、お父さんと3人で、イギリスのある街に暮らしている。ある日、兄弟が線路わきに作った段ボールの秘密基地に、ポンド札がいっぱいに詰まったボストン・バッグが降ってきた。中身の総額は22万9320ポンド(約4600万円)!
 ポンドがユーロにかわる12日前という設定。こんなこともあるかもしれない。ある犯罪組織が、焼却炉行きのポンド紙幣を積んだ列車から金を盗み出しては外に投げていたのだ。降ってきたのは、あとから回収するはずのバッグの1つだった。
 そうとは知らず神様の贈り物だと思い込み、貧しい人々を助けようと考える弟。お兄ちゃんの方は現実的で、ゲームや自転車を買ったあと、これを元手にひともうけを目論む。
 紙幣がただの紙切れになる前に使ってしまおうと兄弟は奮闘するが、子どもには案外難しかった。募金をしようにも多額な募金は怪しまれる。銀行は口座を開かせてくれないし、投資用に家を買おうにも不動産屋は相手にしてくれない。そんな中、お金を見つけたお父さんは……。
 刻一刻とポンドがユーロに変わる日は近づいてくる。お金を追って、組織の手も伸びる。さて兄弟は、無事にお金を使いきれるのか?

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2006年07月30日

ダブル・ジョパディー

 「ダブル・ジョパディー」とは、二重処罰の禁止の意。だれもが同一の犯罪で二度有罪にはならないということである。アメリカ合衆国憲法修正第5条で規定されている。この法律をテーマに母親の我が子への深い愛情と、夫に対する復讐劇をスリリングなタッチでまとめ上げている。
 シアトル郊外に住む主婦リビー。彼女は、実業家の夫ニック、最愛の息子マティと幸せな日々を過ごしていた。
 ある日突然、夫殺害の罪を着せられ、刑務所で服役生活を余儀なくされる。親友に預けた息子のことが心から離れないリビー。行方知れずになった2人を探し当てた彼女は、衝撃の事実を知る。死んだはずの夫が生きていた……。
 戸惑いと混乱のふちに突き落とされた彼女に、ある女囚が「ダブル・ジョパディー」という言葉をささやく。そのひとことがリビーを奮い立たせた。夫への復讐と息子との再会を果たすために、一日も早い出所を待つリビー。
 そして6年の月日が経過し、仮釈放の日を迎えた彼女は保護監察官トラヴィスの監視下に。ついに彼女の逃亡と追跡の日々が始まる……。

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2006年07月29日

アメリカン・ビューティー

 アメリカの中流家庭を舞台にして、現代人が抱える閉塞感、倦怠感に押しつぶされる家族の人間模様をコミカルに、そして残酷に描き出している。
 郊外の新興住宅地に住むレスター・バーナムは、雑誌社で広告の仕事をする中年サラリーマン。住宅ローンを抱えながらリストラの風にさらされる。一方の妻キャロリンは、そんな夫にうんざりしながらも不動産のブローカーとして敏腕を振るい、家ではおしゃれな生活にのめり込んでいく。そして一人娘のジェーンは、怒りと不安に揺れる典型的なティーンエージャーだ。
 ある日、レスターはジェーンの友達アンジェラを一目見た途端、メロメロに。娘の軽蔑を一身に受けながらも、アンジェラへの思いは募るばかり。他方、欲求不満のキャロリンは、同業者の“不動産王”に急接近。そして二人は、ついに危険な坂道を転げ落ちることに……。

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2006年07月28日

チャーリーとチョコレート工場

 子供たちに大人気のウォンカのチョコレートは魔法のチョコ。工場の門は閉鎖され、働く者もいないのに、工場からは毎日、おいしいチョコレートが世界中に出荷されてゆくのだから。
 そんな謎の工場が、このたび5人の子供を招待するという。招待されるのは、ウォンカの板チョコに入っているゴールデン・チケットを引き当てた幸運者。世界中の子供たちがチケットを当てようと狂奔したのだ。
 さて招待日当日、伝説の工場主ウォンカ氏(ジョニー・デップ)に案内され、チャーリーをはじめ当選者たちが見たものは、お菓子の森、ナッツを割るリス、チョコレートの川、働きながら歌う小人たち……。

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2006年07月27日

博士の愛した数式

 交通事故の後遺症で、天才数学者の博士(寺尾聰)は、記憶がたった80分しかもたない。何を話していいか混乱した時、言葉の代わりに数字を持ち出す。
 相手を敬う心を忘れず、常に数学のそばから離れようとしない。そんな、いささか風変わりな博士のもとで働くことになったシングルマザーの家政婦・杏子(深津絵里)。その10歳の息子(齋藤隆成)を、博士は、“ルート(√)”と呼ぶ。博士と語り合ううち、二人は数式の中に秘められた、美しい意味を知る――。
 芥川賞作家・小川洋子のベストセラーとなった同名小説を、『雨あがる』の小泉堯史監督が映画化した。

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草ぶきの学校

 子どもたちの純粋な瞳は、喜びも悲しみも、真正面から映し出す。
 その小さな胸に、大人以上の葛藤の嵐が吹くこともある。
 決して楽しさだけじゃなかった、けれども幸せだった子ども時代――。
 1962年ごろ、文化革命前の中国農村部に暮らした子どもたちを描いた作品。砂にまみれ、風に吹かれて育まれた、懐かしい日々が思い起こされる。

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2006年07月26日

ジャンヌ・ダルク

 ジャンヌ・ダルクといえば、知らない人はいない500年前のフランスの英雄だ。「神のお告げを受けた」と祖国を救うために戦い、勝利に導いた後、魔女として火あぶりにされる。
 ミラ・ジョヴォヴィッチ演じるジャンヌ・ダルクは、実にエキセントリックでいちずだ。フランスを守るために、シャルル7世を戴冠させるために、まるで憑かれたように戦い続ける。田舎娘で戦った経験などまるでないのに鎧に身を包み旗を振り上げ「フォロー・ミー!」(私についてきて)と叫ぶ。戦いの先頭に立って、荒くれ兵士たちの士気を高め勇気を鼓舞する。「ここに神の意志がある。だから決して負けはしないのだ」と。

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