スペインの映画監督ペドロ・アルモドバルが、母とのきずなを描いた、ある意味メロドラマ。
ただし最初に断っておかなければならないのは、登場人物達が、アルモドバルの映画を見たことのある人ならおなじみの“変な人”たちばかりなのだ。
街頭で男性を誘惑する女装の男性が複数登場するし、よりによってそうした男性に恋し、妊娠する修道女がいる。
または麻薬中毒の女性を愛する同性愛者の女優もいる……。
こうした“変な人”たちが織りなす感動的で、上質なメロドラマ。
物語は雨中の悲劇的な交通事故から急展開をとげていく。
マヌエラはマドリードで臓器移植コーディネーターをしながら、息子エステバンを独りで育て上げてきた。
息子はしきりに父親がだれか知りたがるが、母はなぜか返事を拒む。
そして息子が17歳の誕生日を迎え、ついに父親がだれかを打ち明けようとしていたその夜に事故は起こるのだ。
マヌエラはずっと会わずにきた伴侶を探し当て、息子の死を知らせるため、かつてエステバンを身ごもった思い出の街バルセロナへと向かう。
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