自宅でDVD三昧!~映画・ドラマどんと来い!

もちろん映画館で見る大画面の映画の雰囲気は最高。でも自宅でまったりDVD三昧というのも良い物だ。人目を気にせず見た映画DVD・ドラマDVDの感想など書き散らしてみたり。

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2006年09月04日

オール・アバウト・マイ・マザー

 スペインの映画監督ペドロ・アルモドバルが、母とのきずなを描いた、ある意味メロドラマ。
 ただし最初に断っておかなければならないのは、登場人物達が、アルモドバルの映画を見たことのある人ならおなじみの“変な人”たちばかりなのだ。
 街頭で男性を誘惑する女装の男性が複数登場するし、よりによってそうした男性に恋し、妊娠する修道女がいる。
 または麻薬中毒の女性を愛する同性愛者の女優もいる……。
 こうした“変な人”たちが織りなす感動的で、上質なメロドラマ。
 物語は雨中の悲劇的な交通事故から急展開をとげていく。
 マヌエラはマドリードで臓器移植コーディネーターをしながら、息子エステバンを独りで育て上げてきた。
 息子はしきりに父親がだれか知りたがるが、母はなぜか返事を拒む。
 そして息子が17歳の誕生日を迎え、ついに父親がだれかを打ち明けようとしていたその夜に事故は起こるのだ。
 マヌエラはずっと会わずにきた伴侶を探し当て、息子の死を知らせるため、かつてエステバンを身ごもった思い出の街バルセロナへと向かう。

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2006年08月29日

ホワット・ライズ・ビニース

 娯楽映画の王道としてサスペンス映画があり、その頂点にはヒッチコックがいる。
 ロバート・ゼメキス監督が、ヒッチコックを越えるスリラーを目指した本作。
 「ヒッチコックが生きていてCGを使えたらどうするか」――ゼメキス監督は、CGの担当者にこう指示したという。
 「タイタニック」のCGを制作した担当者は「コンピューター技術は映画の物語を深めるためにある」という考え方から、どこでCGが使われたのかを感じさせない自然な映像をつくりあげた。
 著名な数学者のノーマン(ハリソン・フォード)と、妻のクレア(ミシェル・ファイファー)は、ヴァーモントの湖のほとりの大きな家に住んでいた。クレアは娘を溺愛していたが、娘が大学に入って家を出てしまう。寂しさに苛まれるクレアの周りで、不気味な現象が起こり始める。
 BGMが消え、緊張感が高まっていくと、突然、わっと驚かせるような画面が飛び出す。それが5分に1回はやってくる。
 目の肥えた人だと、そろそろ来るぞと冷めた目で見てしまいがちだが、この映画ならハマるだろう。それは、物語が静かに静かに進行するからだ。見るものを構えさせない、平凡な生活が淡々と描かれている。
 これは、ハリソン・フォードとミシェル・ファイファーの演技力によるところが大きい。
 特に前半のハリソン・フォードは、いるのかいないのかわからないほど存在を感じさせない。個性を感じさせない演技から、演じるということの一側面を考えさせられる。

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2006年08月25日

グリーン・デスティニー

 アメリカや台湾を舞台にして女性を繊細に描いた作品の多かったアン・リー監督による武侠映画。
 19世紀初頭、剣の英雄が群雄割拠する時代。許されない愛に苦しむ2組の男女がいた。400年前に作られた秘剣グリーン・デスティニー(碧名剣)の使い手として名を轟かせる英雄リー・ムーバイ(チョウ・ユンファ)と、その女弟子シューリン(ミシェル・ヨー)。もう1組、貴族の娘イェンと盗賊の頭ローもまた身分違いながらも惹かれ、激しく愛しあっていた。
 彼らは英雄の剣をめぐる復讐のドラマの中で真実の愛を知っていく。
 最も重要な役イェンを演じたチャン・ツィイー。そしてチャン・チェンがローを演じている。
 ユンファとチェンも今までで最高のクールさだが、ヨーとツィイーの女性陣の気品も戦いぶりも男性以上にすばらしい。
 とくに、二重、三重の引き裂かれの中で、自らの激情と戦いながらも死をもいとわない貴族の娘を演じたツィイーは、こんなに魅力的で最強の女性の存在は、めったに描けるものではないと思う。

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2006年08月24日

キャラバン

 素晴らしく美しく、本物の自然を切り取り、かつ、自然への畏怖に包まれた作品。
 村の人から長老とあがめられ、若い頃キャラバンの隊長をつとめてきた人物の息子が死んだ。キャラバン隊長という絶対の権力を譲った息子亡き今、その地位をどうするか。
 息子の親友で長老とかつて対立していた男が周囲の信頼を得て隊長になった。しかし、進歩的で合理的な彼の考え方を長老は気に入らない。
 まだ幼い孫に期待をかける長老は、無謀にも自分でキャラバンを出すことにする。
 2人の対立は何を生むのか。
 村はどうなるのか。

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2006年08月23日

アンジェラの灰

 1997年ピュリツァー賞を受賞し、欧米で600万部の大ベストセラーとなった同名ドキュメンタリーの映画化。
 1930年代、アイルランドからの移民としてニューヨークで暮らすマコート一家。若い夫妻には4人の幼い男の子と生まれたばかりの女の子がいた。
 不況で父親に仕事はなく、彼は失業手当まで呑んでしまうほどの酒好きだった。食べるものもなく、ある日、小さな女の子は死んでしまう。悲しみにくれる母親は、故郷の家族を頼ろうと、一家でアイルランドに戻る。
 アイルランドに戻っても、父親は働かなかった。働いてもすぐにクビになり、失業手当は酒代に消えた。ここで、下の双子の男の子が次々に亡くなる。そして、また子どもが生まれる。父親に対して、妻も子どもたちも呆れているが、憎み突き放すことはできない。
 映画を見ながら、エミール・ゾラの小説「居酒屋」を思い出した。「居酒屋」は、だんながヤクザな男だったため、娼婦にまで身をやつす女の物語である。
 男にほれ、情、母性が仇となって不幸になる女性は多い。逆に、呑む、打つ、買うといった遊びにうつつをぬかし、女性や家族を不幸の泥沼に引きずり込む男も多い。
 女の愚かさと男のずるさ。
 これは、男と女の悪しき業ともいえるだろう。アンジェラの灰は、この業を見るものに突きつける。
 やましいところのある人は、そら恐ろしい気持ちになるにちがいない。

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2006年08月22日

十五才 学校IV

 不登校、学級崩壊、いじめ……そういった顕在化した問題をあげるまでもなく、思春期の子どもの想いを理解するのは難しい。
 親は価値観を押しつけてはいないだろうか。周りの大人たちは何を見せればよいのか。深く考えさせられる作品だ。
 横浜郊外に住む中学3年の大介(金井勇太)は、学校に通わなくなって半年がたつ。
 ある日、両親に内証で九州の屋久島に縄文杉を見に行こうと決心し、ヒッチハイクをはじめる。果たして彼は、無事に遠い屋久島にたどり着くことができるのだろうか――。
 大介は、旅を通じて大きく成長していく。見たことがない景色を見、いろいろな人の人生と接し、人生の悲しみやつらさを断片的ではあるが知ることになる。
 そして、樹齢7000年の縄文杉に会ってエネルギーをもらいたいという夢を成し遂げることによって得る達成感。
 つまらない人間だと思っていた自分だって、やり遂げることができるのだという自信がわいてくる。

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2006年08月21日

X-MEN

 冒頭、ポーランドのナチスの強制収容所で、ユダヤ人の男の子が、両親から引き裂かれるシーンが映る。両親と別れたくない男の子は、泣き叫ぶ。少年の強烈な“思い”は、鉄の扉をグシャグシャに変形させてしまう。
 原作は、1960年代の伝説的な人気のアメリカン・コミック。見る前のイメージは、単純なアクション大作だったが、非常にテーマが深く、ただの実写版ではない。
 X-MENとは、いわゆる“超能力”をもったミュータントと呼ばれるごく少数の新しい人類だ。彼らは、進化によって超能力をもっているのだが、大多数の旧人類から危険視され、疎外されている。この映画は、異質なものを排除してしまう、人類がもつ“差別”という病を描いている。
 物語は、三者の対立が軸となる。
 ミュータントを排除しようとする人類。
 そうした人類を支配しようとするミュータント。
 人間との共存を信じるミュータントだ。
 そして、対立するミュータント同士が、さまざまな超能力を駆使して相争う。
 人類を支配しようとするミュータントのボス・マグニートーは、冒頭の少年が年老いたという設定である。マグニートーの論理は、自分たちを差別する者を攻撃しようとするもの。この論理は、差別される側からすれば、当たり前かもしれない。
 一方、旧人類との共存は可能だと信じるチャールズもいる。
 ミュータントへの人種差別を描いているが、60年代、アメリカに起こった公民権運動が背景にあることは想像にかたくない。

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2006年08月20日

スペースカウボーイ

 クリント・イーストウッド監督=主演作品。
 1958年、米ソのあいだで熾烈な宇宙開発競争が展開されているなか、空軍の選り抜きパイロットで構成された“チーム・ダイダロス”は日夜、宇宙飛行士になるための激しい訓練を繰り広げていた。
 ところが、突然プロジェクトの権限が新しく設立されたNASA(アメリカ航空宇宙局)に移行し、アメリカ人初の宇宙飛行士になるという4人のメンバーの願いは夢と消えた。
 ところが、それから40年の時を経て、彼らにチャンスが訪れる。
 旧ソ連の通信衛星が故障し、地球に落下する危険性が高いとの知らせがメンバーの1人コービン(イーストウッド)に届く。
 その衛星はかつて彼が設計したシステムを使用しており、彼の協力が必要だったのだ。
 コービンは提案する。もしも“チーム・ダイダロス”を復活させて、宇宙に修理に向かわせてくれるなら協力しよう……。

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