イギリスの若き映画作家であるガイ・リッチーの第二作目。
物語の発端は、ベルギーでの86カラットのダイヤモンド強奪事件。
タイトルの「スナッチ」も「強奪」の意だ。
強盗集団はロンドン経由でボスの待つニューヨークへ帰る予定だったが、事件の情報が漏れて、ロンドンの悪いヤツらが宝石を横取りしようと待ち構え、話はどんどんこんがらがっていく……。
ボーと見ていると戸惑うほど多くの個性派たちが登場してはペラペラおしゃべりするので、人物関係は複雑怪奇。
さらに語り口はとにかくスピーディー。ニューヨークからロンドンに飛んで来るボスの移動が、文字通りひとっ飛びのノリで描かれるのが笑えるし、なんでも食べてしまう間抜け顔の犬君もイイ味を出している。
往年のゆったりした犯罪映画を期待する観客には少しきついのかもしれないが、非常に早いテンポでシーンが流れていく。
始まりから終わりまで、目まぐるしい展開で一気に楽しめるエンターテインメント性あふれた一作だ。