原作を知っていたために、正直、あまり期待していなかった。
だいたいにおいて、二番煎じで終わるからだ。
だが、本作「
キャプテン
」は、思った以上に見終わった後、さわやかな気分だった。
一心にボールを追いかける情熱。努力してうまくなることの、うれしさ。試合の緊迫感。そして、勝つ喜び。
野球とは、なんて魅力的なスポーツなのかということが感じられたのだ。
本作には、恋もなければ、ケンカもない。魔球も、超人的な選手も出てこない。ただひたすら、野球に打ち込む中学生たちの姿を描いた、混じりっけなしの「野球映画」。
原作は、故ちばあきおの同名コミック。テレビや映画でアニメ化されている。それだけに、冒頭述べたように、実写映画化への厳しい見方も多いと思う。
主人公は、墨谷二中に転校して弱小野球部に入部した谷口タカオ。
名門野球部出身を買われてキャプテンにされてしまうが、実は球拾い専門の補欠選手だった。
初めての試合では、エラーを連発。部員たちからの信頼は地に落ちてしまうが、谷口は密かに特訓を始める。
丸井やイガラシなど、原作でおなじみのキャラクターたちも登場し、地区予選大会に向けた熱いドラマが展開する。
谷口役の布施紀之は、実生活でも甲子園を目指す球児とのこと。
だから野球のシーンになると、目の輝きがガラリと変わる。物語が進むにつれて力強さと存在感を増していく過程は、キャプテンとして次第に成長していく谷口と重なっていく。
普通の少年たちが、毎日毎日野球に明け暮れる。センバツ高校野球のエピソードをかいま見るような、さわやかさ。
そこに徹したからこそ、原作の魅力を十分に伝える作品になったのではないか。