2004年10月23日に起きた「新潟県中越大震災」では67人が犠牲になり、重軽傷者は4795人に及んだとのこと。
中でも被害の大きかった山古志村では全村避難を行い、約2000人が村を離れた。しかし、ペットや家畜、村の養鯉業をささえる錦鯉などは残された。
11月8日。新潟日報の夕刊に、がれきの前で遠吠えする1匹の犬の写真が掲載される。大震災の日に子犬を出産したマリだ。16日後、マリと子犬は無事救出され、その姿は多くの人たちを励ました。
映画「
マリと子犬の物語」は、この実話を基に制作された。
飢えと寒さの中、必死に食べ物や毛布を探して子どもたちを守る母犬マリ。
取り残されたマリたちを助けるたいと、村に戻ろうとする幼い兄と妹(広田亮平、佐々木麻緒)。
二人を助けるために大雨の中を捜索する父(船越英一郎)。
そして、お互いに助け合うことで、不自由な毎日を乗り切っていた避難所の人たち。
大切な何かを守るために――マリたちが生き延びることができたのは、その必死の思いがあったからだ。
村の人たちが希望を失わなかったのは、いつか村に帰る日が来ると信じていたから。
心の強さは、生きる力を生み出すということを感じる。
「本当に大切なものは何か」という、そのメッセージが、物語を通して確実に伝わってくる。
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