自宅でDVD三昧!~映画・ドラマどんと来い!

もちろん映画館で見る大画面の映画の雰囲気は最高。でも自宅でまったりDVD三昧というのも良い物だ。人目を気にせず見た映画DVD・ドラマDVDの感想など書き散らしてみたり。

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2006年08月18日

ホワイトアウト

 真冬の新潟県、雪に覆われた日本最大のダムをテロリストが占拠する。
 テロリストは、ダムの爆破による水害で国を脅し、50億円を要求。猛吹雪のため、だれもダムに近づくことができない。
 ダムの職員が人質になるなか、ひとり自由の身の富樫(織田裕二)が、テロリストに挑んでいく。
 この映画の最大の成功の因は、脚本にあると思う。
 原作は、ベストセラーとなった同名小説。原作者の真保裕一が、自ら脚本を書いている。
 見るものの予想を裏切り続ける物語展開は卓抜。なかでも、クライマックスのどんでん返しの連続が楽しい。
 演出で「うまい!」と感じた点は、射殺シーンのクールさ。
 こうしたシーンは、どうしても嘘臭くなりがちだが、ここをさらっと描いたところに好感がもてる。
 キャスティングもなかなか良い。
 特に、テロリストの首領の佐藤浩市がはまり役だ。もともと演技力のある役者だが、癖のある難しい役を自然に演じている。
 ほかの役者も、変に主張していない。キャスティングがそれぞれにマッチしたと言える。多少、ん!? と感じるような人はいるが、許せる範囲だろう。
 さて、この映画をジャンル分けするとしたら、アクション映画になるのだろうか。もともと設定が“ダム”ということもあって、A・シュワルツェネッガーの主演作品などと比べれば、それほど派手とは言えない。むしろ、銃撃戦や白兵戦などの緊張感を楽しむべきだろう。
 感心したのは、キャラクターの設定。
 主人公の富樫は、雪山で友人の吉岡(石黒賢)を亡くしている。吉岡は、「もし、自分の身に何かあったときは、婚約者の千晶(松嶋菜々子)を守ってくれ」と告げていた。千晶は、テロリストの人質となっている。富樫は、千晶と会ったことはない。
 恋人や妻のために頑張るヒーローは山ほどいるが、亡くなった男の友情のために命をかけるというキャラクターはちょっといない。ここまで純粋な男の心には、男もほれる。ほれるとまではいかなくても、好感をもってしまう。このあたりに、原作及び脚本の真保裕一のうまさを感じた。そうです、ラストシーンは、ホロッとさせられます。
 けっこう、ドキッとさせられるシーンもあるが、その効果音とBGMがまたいい。

2006年08月17日

マルコヴィッチの穴

 原題は「BEING JOHN MALKOVICH」。つまり“ジョン・マルコヴィッチであること”。
 マルコヴィッチとは90年代初めに『シェルタリング・スカイ』や『20日鼠と人間』などで頭角を現した本格派俳優。
 この映画は“有名人になりたい病”を主題として扱っているが、その有名人が誰でも知っているディカプリオやトム・クルーズではなく、知ってる人なら知っているし、顔は知ってるが名前を知らなかったり、逆に名前は知ってるが顔は知らない人も多かったりするだろうマルコヴィッチをあえて選んだところに、ヒネリのきいた冴えがあると言える。
 でもなぜ“穴”なのか?
 物語の主人公は、才能には恵まれているが、なかなか成功できずに失意のどん底にある人形使いシュワルツ(J・キューザック)。
 彼は妻(C・ディアス)の忠告に従って嫌々仕事を見つけるが、同じオフィス・ビルで働くマキシン(C・キーナー)に恋してしまう。ただし、彼女はほとんど相手にしてくれない。
 ある日、そんな状況を一変させる出来事が起こる。偶然オフィスの一角に見つけた穴にシュワルツが入ってみると、驚くことに、15分だけマルコヴィッチの脳(?)に侵入し、あの有名人になることができたのだ!
 シュワルツはマキシンと相談して、この穴を商売に使うことに決める。その後、マルコヴィッチ自身の抵抗にあったり、恋愛騒動が複雑さを増したり、物語は混迷の度合いを深めていく……。
 このユニークな物語を見事に映画化したのは、スパイク・ジョーンズ。若きクリエーターだ。
 天井をえらく低くして「不思議の国」じみたオフィス・ビルのセットを作らせたり、ディアスをノーメークで登場させたり……妥協を知らない完全主義ぶりを発揮して、今後の活躍を大いに期待させる。

2006年08月16日

ミュージック・オブ・ハート

 ロベルタ(メリル・ストリープ)が音楽教師として、ニューヨークでも指折りの物騒な地域「イースト・ハーレム」の小学校に、50挺ものバイオリンを抱えて乗り込む。
 悪ガキどもはバイオリンの弓でチャンバラをはじめる始末。しかし、ロベルタの率直な人柄に心を開き、子どもたちは鋭敏な力を発揮してグングン上達していく。
 やがて、発表会で「キラキラ星」を見事に合奏する我が子の誇らしげな姿に、親の目に涙が光る。
 果ては、スターンやパールマンら世界的なバイオリニストと、カーネギーホールで協演することになるのだ!
 しかし、このドラマは単なる美談とは一線を画している。
 ある日、練習熱心な少年が来ない。母に“行くな”といわれたからだ。
 母は、ロベルタを非難する。「頼みもしないのに、スラムの子どもを救う気で乗り込んでくる白人教師が前にもいた」と。
 ロベルタも黙ってはいない。「誰を救う気もない。これは自分の子どもを養うために必要な仕事」「あなたは知ってるの? バイオリンを弾いているとき、あなたの息子が輝いているのを」――と。
 ロベルタは夫に逃げられ、ふたりの息子を抱えて働き口を見つけねばならなかった。
 職場で直面する、人種差別の深い溝。“家族が殺された”と子どもが休むスラムの現実……。家庭では、思春期の息子との葛藤。頼れる夫のいない不安……。それでも、ロベルタは突き進む。音楽への純粋な愛を鼓舞し、子どもたちへの愛と喜ぶ顔に支えられながら――。ありのままの自分をさらけ出し、教師として母として、やるべきことを成し遂げていくひたむきな姿は、美しく、清々しい。
 ロベルタは下見でカーネギーホールの舞台に立つ。
 劇場を満たしている静寂と圧倒的な威厳がスクリーンから伝わってくる。
 そこで、バイオリンの巨匠であり、音楽の殿堂・カーネギーホールの総館長であるアイザック・スターンがロベルタに語る。
 「チャイコフスキーもハイフェッツも、ラフマニノフも皆、ここに立つ人を歓迎してくれる。君たちもここの一員だよ」と。

2006年08月15日

ザ・ハリケーン

 先日紹介した「エリン・ブロコビッチ」と同じく、実話を題材にした作品。
 壮大なアクションやファンタジー大作も小気味良いが、真実の話はそれとは違った感動を味わえる。今まで自分が知らなかった世界で、こんなにもたくましく、切なく生きた人々がいたのだという驚きが胸に迫ってくる。
 1963年、黒人ボクサーのハリケーン(デンゼル・ワシントン)は、ウエルター級のチャンピオンにまで上り詰めていた。
 華々しい戦績をあげる彼に突然、殺人事件の容疑がかけられる。裁判で無実を訴えるのだが終身刑が宣告されてしまう。
 彼は、獄中でも無実を訴え続け、自伝を執筆して出版するやいなや大反響を呼び、ボブ・ディランやモハメッド・アリなどが釈放運動に加わってくれる。しかし、再審も有罪。ハリケーンは絶望し、社会とのかかわりをいっさい断つようになっていく。
 古本市でハリケーンの自伝を何気なく手に取ったレズラは、ハリケーンの人生に共感を覚え、仲間と一緒にハリケーンの無罪を勝ち取るために、立ち上がるのだった……。
 デンゼル・ワシントンはこの企画が始まった6年前からハリケーン役を切望していた。役にいどむために、27キロの減量とトレーニングを行い1年の準備期間をへてボクサー体形に自分の身体を鍛え上げたという。そのため、ボクシングのシーンも違和感なく受け入れることができる。
 さらに、時の経過と共に、ワシントンのまなざしが変わってくるところも見物だ。
 無実の罪で投獄されたことに対する怒り、真実は必ず認められるはずだと信じてやまない姿、絶望、孤高の境地、レズラとかかわることによって得る安らぎ、そして信頼――ワシントンの入魂の一作といえそうだ。

2006年08月14日

サイダーハウス・ルール

 ラッセ・ハルストレム監督の作品といえば、子供を見つめるまなざしが温かいことで定評がある。
 しかも、原作は「ガープの世界」「ホテル・ニューハンプシャー」などの作品で知られるアメリカ現代文学の巨匠ジョン・アーヴィング。彼自身が13年もの歳月を費やして脚色し、映画化した。
 原作者が脚色をすると、原作への思い入れが強すぎて映画としてはわかりにくいものになりがちだが、このベストセラー作家は違った。
 そのエキスを抜き取り、一人の青年の成長を描く感動のドラマに仕上げている。
 2000年度のアカデミー作品賞、監督賞など7部門にノミネートされ、最優秀助演男優賞と最優秀脚色賞を受賞した。
 舞台は1930~40年ごろの孤児院。
 ここで生まれ育ったホーマー・ウェルズ(トビー・マグワイヤ)は、ラーチ院長(マイケル・ケイン)に「人の役に立つ存在になれ」といわれ続けて大きくなった。
 院長の掌中の玉のような存在だったホーマーもいつしか、外の世界に憧れて旅立つことを決心する。
 外の世界は、見たことのないモノばかりだった。初めての海、口にしたことのないロブスター、野外で映画が見られるドライブインシアター。
 そして、友情や甘い恋、悲しみ……人とのふれあいを通して今まで味わったことのない感情を味わい、一歩ずつ大人になっていく。
 映像が詩的で美しい。
 全体の色彩が抑制され灰色に近い田舎の風景。それが、作品の雰囲気にピッタリとマッチしている。
 また、孤児院の子どもたちがいい。かわいらしく純粋なのだが、どこか孤独が感じられる。
 人間は決して完ぺきでもなんでもない。
 愚かで、たくさんの間違いや失敗を繰り返すが、小さな幸せを見つけて一生懸命に生きている。
 人間への温かいまなざしと、深い愛が感じられる作品だ。

2006年08月12日

エリン・ブロコビッチ

 豪快ママのサクセスストーリー。
 物語が実話であるだけに、人間捨てたもんじゃないなと妙に納得させられる。
 エリンは2度結婚をし、2度別れ、子供が3人いる子連れの母親。悪いことに学歴も、経験も、職もない。
 きょうの食費にも事欠き、職探しの毎日だが不運は続くもので、面接で落とされ落ち込んでいるときに車に追突される。弁護士に依頼するがあっけなく敗北。現実は厳しい。
 行き詰まったエリンは自分が頼んだ弁護士事務所に押し掛け事務員として働きはじめる。
 ファイルの整理をしていると気になる資料が出てきた。不動産関係の資料なのに、健康診断書や血液検査の結果が添付されていたのだ。
 それを調査させてくれるようボスに願い出る。そして、隠された事実を暴き出すことになるのだ。
 1歳にもならない乳飲み子と小学生の子供2人を抱え、働くママは一生懸命だ。
 でも、おかしいと思ったことに突き進む勇気があり、理不尽は許さない。しかも、相手の立場にたって物事を考えることができる優しさがある。
 その迫力と元気に圧倒される。
 モデルになったエリン自身、学生時代ミスコンの女王になったと聞かされれば、エリン役がジュリア・ロバーツでもうなずける。
 男なら、エリンのファッションにも目を奪われるはず。
 本物のエリンのファッションに忠実に、20センチのミニスカート、7.5センチのヒール、胸元が大きくあいた身体にフィットしたシャツに身を包み、そこからゴージャスなボディーが弾け出る。
 誰に何を言われても、自分が似合うと思ったものを、着たいときに着るという根性が生き方をなぞっている。ジュリアのスタイルとファッションと元気を見ているだけで、こちらまで元気づけられる爽快な作品だ。
 エリン・ブロコビッチは、アメリカではだれもが知っている史上最高額の和解金を手にしたスーパー・ヒロイン。
 いつでも元気で明るい彼女は、みんなの憧れになっている。やる気と根性と粘り強さがあれば、何も持っていなくても必ず成功を手に入れられるということを実践してくれたのだから。
 彼女を見て、明日への活力をわかせたい。

2006年08月11日

バットマン ビギンズ

 サイコスリラーの秀作「メメント」「インソムニア」などを監督した、新進気鋭の映像作家であるクリストファー・ノーラン監督による「バットマン ビギンズ」。
 本作では、バットマンの誕生秘話や、バットマンがゴッサム・シティの「闇の騎士」になるまでを追っている。
 これまでスクリーンで語られなかった、ブルース・ウェインがいかにしてバットマンになったか、というバックグラウンドが初めて明かされる。
 不気味な分身を生み出すために、彼がなぜ、どうやって戦闘力を身につけ、バットマンツールを手にしていったのかが……。
 バットマン=B・ウェインを演じるクリスチャン・ベールは、これまでで最高にクールで、現代的、孤独なヒーロー像を築いている。
 とりわけウェインが、自分の分身としてのバットマンのイメージ戦略を練る所は広告代理店そのもの。
 バットモービルやコウモリ型のロゴマークを考案するあたりの、フェティッシュな物への偏愛ぶり、なんでも黒に塗りたがる色へのこだわりぶりは、ベールの出世作「アメリカン・サイコ」を思い出させて、面白い場面となっている。
 そして、数々の特殊装置の開発を手助けするのが、ウェイン社開発部門に勤務するフォックス(モーガン・フリーマン)だ。
 彼が生真面目な調子で、中国にバットマンマスクを発注したり、まるでドラえもんのように、次々とバットマンツールを作り出す様子が楽しい。
 最初にコミックに登場してから60年余り、アメリカン・カルチャーの象徴でもある「バットマン」。
 思いきり現代的な味付けで明かされる謎の、不思議なリアリティーが絶妙だ。

2006年08月10日

亡国のイージス

 福井晴敏の同名ベストセラー小説を、硬派な人間ドラマで定評のある阪本順治監督が映像化。そこに、真田広之、寺尾聰、佐藤浩市、中井貴一ら日本を代表する豪華俳優陣が結集。
 物語は、海上自衛隊のイージス護衛艦「いそかぜ」が、テロリストたちに占拠されるところから始まる。
 搭載されている特殊兵器の照準を東京に合わせ、日本政府にとてつもない要求を突きつける彼ら。
 そこに立ち向かうのは、だれよりも艦の構造に詳しい先任伍長・仙石恒史(真田)だった……。
 主演の真田は公開初日の舞台あいさつで「この『イージス』が僕らの手を離れて、大海原に漕ぎ出します。すべての思いを映画に込めました。観客の皆さまも(この作品の)クルーの一員として“世界平和”という向こう岸にたどり着くまで、一緒に漕ぎ続けていただければ」と語ったとか。
 音楽と編集には、ハリウッドの第一線で活躍するスタッフを起用。
 役者たちの熱演、そして海上自衛隊の初の全面協力も得て、邦画としては稀に見る、壮大なスケール感をもつエンターテインメント大作に仕上がっている。
 一方で、考えさせられたのは、日本を守るはずの最新鋭システムが一瞬にして最強の凶器に変わる恐ろしさ。
 それは、現実の世界でも起こりうる“落とし穴”かもしれない。
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